- ◆初めてのデッドストックの話◆最終回
-
2006.04.04 Tuesday次の仕入れの最後の方で、おじいちゃんの靴屋がどうなってるか知りたくて
行ってみました。
あの時間をつぶした隣にあるアンティーク屋さんは、そのまま時間が止まった状態であったのですが・・。
おじいちゃんの靴屋は・・。
少し離れてところから見る限り、外のショーケースには何もなく、店の中も
何もない状態になっていました。昔、来た所だったので、店の商品の配置
など自分としては結構覚えていましたので、浦島太郎状態になっていました。もっと近づくと、外のショーケースの中になにやら写真が飾って
あるではないですか!
じっとショーケースに目を向けてみると、にこやかに笑ってるおじいちゃんの写真が2つ折のクリスマスカードの表のところに張ってあり、
裏にはお孫さんから、MERRY CHRISTMAS
これからも元気で・・・・。みたいな事が書かれていました。
確かに、おじいちゃんが元気でクリスマスの日に撮った写真です。
おじいちゃんはここで50年代ぐらいから親父さんの後を継ぎ
店に立ってたけど、そのころからショッピングモールが近所に
でき、僕が行ったときは店が閉まっており、電話予約で店を開けて
いて、横のアンティーク屋さんのおばちゃん曰く、頑固なおじいちゃん!
でも、この写真にはおじいちゃんが笑顔で、いきいきしている
おじいちゃんで、がんばってる姿が・・。店にも僕が行った時
にはなかった、きらびやかさがあります。
何か思い出になるものと思い、その時おじいちゃんの写真をショーケース越しから撮った写真がありますので、UPします。
一枚目はおじちゃんの店がなくなって空っぽになって悲しい、店内です。
もう一枚はおじいちゃんです、お孫さんに撮ってもらったのでしょうか?
小さいですが、クリスマスの店内でおじいちゃんが靴箱を持って
笑顔でたたずんでいる姿です。
- ◆初めてのデッドストックの話◆PART4
-
2006.03.28 Tuesday業者はびっくりして、何で知ってるの??
って顔をして僕を見ました。
十年ぐらい前の出来事をその業者に伝えたところ、
そのおじいさんは亡くなってしまい、その息子さんが
おじいちゃんの店の靴を売りに出したそうで
それを僕の業者が買ったみたいでした。
それを聞いたとき、あのおじいちゃんにもう一度会って
おけばよかったと思いました。おじいちゃんの靴屋さんの
近所までは行っていたのですが、なかなかもう一度行く
気持ちになれなくて・・。電話をして、またアポを
とらなければならない事が億劫になっていました。
亡くなった、おじいちゃんのメッシュCAPでぼろぼろのジープ
で来た姿が思い出され、すごい悲しい気分になりました。
デッドストックは何回か出ていましたが、最初のデッドストックが
自分の誕生日その場所で出たので、記憶に残り、いつもその街の
近所を通るとき、その時のことを思い出して、おじいちゃん
どうしてんのかなぁ〜って考えながら運転していました。
その業者から帰るとき、
おじいちゃんの靴屋さんがどうなってるのか
見たくて、次回アメリカに来たときに必ず、行こうと決意しました。
それで、次のアメリカ行きの旅の終わりぐらいに
おじいちゃんの靴屋さんに立ち寄ってみました。
その話を次回書きますね!いよいよ次回は最終回です。
- ◆初めてのデッドストックの話◆PART3
-
2006.03.23 Thursdayいつも行くアメリカの業者さんがいるのですが、彼とは付き合いも長く
6,7年ぐらい商品を買っています、毎回アメリカに行けば必ずそこへ行き
古着を売ってもらったり、ご飯を一緒食べたり、イベントに行ったりしている仲です。
あれは、3,4年ぐらい前だったでしょうか?
いつものようにアメリカの、その業者に行った時のことです。
「ヘイ、いいデッドストックが見つかったよ!!」
その業者は満面の笑顔で僕を出迎えてくれました。
すごい量のブーツです!
「やった!!」
それも以前、売ったことがあるブーツが
いっぱい並んでいるじゃないですか!!!
「すげぇ、これ、また売れそう!」
と心の中で喜んでいました。
あれっ!?でもこのブーツどこかで見た事あるやん!
どこで見たんやろ〜。う〜ん、でも同じブランドが
出るときも多々あるし・・。
聞きにくい質問ですが、思い切ってどこでこのデッドストックが出たのか
聞いて見ました。その業者はもう、ほとんど抜ける物は抜いていたみたいだったので、気軽に街の名前を教えてくれました。
「この州の○○街。」
○○街!!??○○街・・・・。
うぁ〜〜。その名前を聞いてピンときました。
すぐにその業者に、
「それって、アンティーク屋さんの横にある靴屋さん?」
業者は、びっくりした顔で僕を見ました。
すいません、まだ話はづづきます・・。
- ◆初めてのデッドストックの話◆PART2
-
2006.03.14 Tuesday昔の話(十年ぐらい前)なので、このタイトルのお話を書いてるうちに当時の色々なことを思い出してきました。
前回分の加筆ですが。
電話したあと20分ぐらいで、店にジープのような4駆のボロボロの車でメッシュキャップを被っておじいちゃんが現れたこと。おじいちゃんの靴屋のとなりがアンティーク屋さんだったので、そこでおじいちゃんが来るまで時間を潰していました。
いよいよ対面して店に入り、買い物する前に、
「おまえ、うちの靴なんぼでかってくれるねん!。」
って聞かれたこと。
あと、店は、50年代ぐらいに、ショッピングモールが街にできてから、暇になってしまい一気にお客さんが減った。
「ショッピングモールの店員は靴のサイズの
計り方はわかっとらん!!」
とご立腹の様子でした。
今でもよくあるのですが、すごい田舎に大型スーパーができたり、
ショッピングモールができたりしたら、小さい個人商店が潰れてしまいます
よね。これが現実なのですが、つらいです。
店の作りも今考えると、他の店と違い、普通ベースメントが倉庫のパターンが多かったのですが、そこは2階に倉庫があったような記憶があります。
そして、デッドストックの靴を買ったときくれた手書き伝票の上には確か、
■40年周年記念、1910年開店から■ の文字が印刷されていました。
あれっ・・。っていうことは、この伝票を作ったのは1950年代で、
そのときの伝票をまだ使ってる・・。すでに50年代から
近所にモールができて店が暇になって、まだ店が忙しい時に作った伝票を
渡されて・・・。なんか寂しくなってしまいました。
とりあえずそんな話や、前回の戦争の話なんかもして、最後は
握手して車に乗りデッドストックが初めて出た余韻に浸り、
色々、おじいちゃんとお話できた事もありますし、
誕生日だったこともあり、すごい上機嫌でした。
すいません、もったいぶって、まだ話は続きます!
お楽しみに!
- ◆初めてのデッドストックの話◆
-
2006.03.07 Tuesday
今から約10年前店を始めた頃、初めてデッドストックを見つけました。
そこは月曜日しか開いてなくて、平日は電話したら来てくれるという店
でした。偶然そこを見つけた日は、自分の誕生日で何かいいことが
ありそうなので、思い切って店のドアに書いてあったおじいちゃんの
電話番号をダイヤルして、「日本から古い物探しにきた。」と告げ
面倒くさそうでしたが、おじいちゃん、来てくれました。
ドアをあけるとビンテージの山山山・・。
しかし、初めてのデッドストックですし、そのころの古着事情は
そんなに、ブーツとかキャンバスのスニーカーなんかは
一部のファンだけのITEMで、店に出しても今のような売れ方は
しませんでした。ブーツはRED WING,スニーカーはナイキ、アディダス
なんかが売れ筋でしたし・・。
結局、JETSのキャンバスもありましたが、白のHIだし、ブーツは
そんなにぱっとしなかったしで・・、(今でしたら全部買ってますが・・。)数足のブーツを買い、おじいちゃんの着ていたLEEの
91Bと古いKEDSかコンバースのポスターを貰いました、ポスターは
荷物運びで忘れて帰ってきてしまったのですが・・。
帰りにおじいちゃんと戦争の話になりました。
「俺たちは何年か前まで戦争して戦っててんけど、今はこうして
お前が俺の店に来て買い物している。いまは友達になってるよな!」
って言われて握手をして帰りました。ちょっと頑固な昔のおじいちゃん
って感じで初めてデッドストックが出たので感動と興奮でどきどきしたのを
覚えています。
ただ、話はそれだけでなくそこからつづくのです・・。
続きは、またお楽しみに。